2022年7月~9月に放送されたドラマ「初恋の悪魔」(日テレ)が大大大好きでした。あまりに面白くて、毎度テレビの前で正座して続きを見るのを楽しみにしていたほど。また見たいなあと思っていたのですが、Huluでしか配信していないくて、契約するか随分迷った頃もあったのですが、このたびAmazon Primeで無料配信になっていましました。(いつの間に…!)
何度もやめようと思ったAmazon Primeですが、何だかんだで好きなドラマや映像が配信になっていたりするので、辞められないんですよね。人生何度目かの「入ってて良かった」の回がやってきましたよ。
『初恋の悪魔』(はつこいのあくま)は、2022年7月16日から9月24日まで日本テレビ系「土曜ドラマ」枠にて放送されたテレビドラマ。主演は林遣都と仲野太賀。坂元裕二の脚本によるオリジナル作品。
(Wikipediaより)
脚本は、坂元裕二。
主要登場人物は、鹿浜鈴之介(林遣都)、馬淵悠日(仲野太賀)、摘木星砂(松岡茉優)、小鳥琉夏(柄本佑)の4人です。
ドラマのジャンルについては各メディアからミステリアスコメディ、没入型推理ラブサスペンスコメディ、ヒューマンドラマ、サスペンスコメディ、サスペンス・ミステリーなど様々な種類の紹介がされているが、公式ではミステリアスコメディというジャンルに表現が統一されている。
とWikipediaに書かれているように、本当に一言ではいえない、いろんな要素が詰め込まれているドラマでした。最初の4回とそれ以降でガラッと展開が変わるので、ひょっとしたら前半だけ見て「中途半端なミステリー(推理モノ)」だと思って脱落した人も結構いるかも知れません。
確かに最初に数回は、一話完結型の事件解決モノだったのですが、そのあとは解離性同一性障害(多分)の摘木星砂を挟んだせつない恋や友情の話や、何年にもわたって続いてきた連続殺人事件の謎が横たわっていたり、偏屈でマッドな停職中の警察官、鹿浜の人間らしいところが出てきたり、主要4人の人間関係があたたまっていく様子が、コメディアスな要素を含めて描かれたり、セリフも演出もよかったし、演技派ぞろいの役者さん達もすごくよかった…!
特に一人の人格が2つに分かれて、別々に恋人ができる設定がせつなかったですね。鹿浜、悠日、どちらの立場に立ってもせつなかったです。なので、最終回の鹿浜が顔を覆って泣くシーンでは号泣してしまいました。この泣きの演技も演出もよかったし、ラストで星砂が後ろを向きながら手をふるシーンは、ひょっとして別の星砂だったのかな?と思わせる余韻があったのもよかった。とにかく「よかった」だらけ。
実はこのドラマを見るまで、仲野太賀の存在を知らなくて!テレビ空白期間が長かったせいもあるのでしょうが、主要4人のうち3人はわかるのに、「仲野…?はて…?」という状態だった自分を殴りたい。若手俳優で「普通の人の役」をやらせたら、この人の右に出る人はいないのではないか?!「虎に翼」で演じた優三さんも、突出して個性的という訳ではなかったし、とにかく仲野太賀の「普通の人」っぽさがよかった。「負けてる人生って誰かを勝たせてあげてる人生です」って名セリフがピッタリくる。
重要なタイミングで登場する監察医・小洗杏月(田中裕子)の存在も救いだったし、なぜかちょこっとしか出番がなかった 淡野リサ(満島ひかり)と星砂の対面シーンもよかった。(せつなさはあったけど)
平均視聴率(世帯)が、4%を切っていた回もあったのですが、本来はもっと評価されてもいいドラマだと思っています。エンディング曲のSOIL&"PIMP"SESSIONS「初恋の悪魔」が流れると「えっ!もう終わり?!?!?!」とビックリするぐらい、毎回毎回早く感じていたこともあり、それだけ濃厚なドラマだったのではないかと。(2周目でも同様)
ドラマによっては「なかなか話が進まないなあ」というものもある中で、ジェットコースターのような展開に毎度心を揺さぶらていました。坂元裕二の手のひらで転がされているとわかっていても。
「初恋の悪魔」名セリフ
坂元裕二作品は、名セリフ揃いなのが特徴ですが、初恋の悪魔もしかり。印象深かったセリフをピックアップしました。
- 負けてる人生って誰かを勝たせてあげてる人生です
- 人を好きになるということは、傷をつくることだ。好きと痛みにさほど違いはない
- 大丈夫。自分らしくいれば、いつか未来の自分が褒めてくれる。僕を守ってくれてありがとうって。友達もいつかできる
- たった一度の「好き」という言葉だけで、これから先、何年でも、何十年でも生きていけることがある。
- 言い返せなかったことって、残るでしょ。(略)そういうのって、シャツの染み みたいに残るんだよ
- 根拠のない『大丈夫』は、優しさでできてます
- わたしが いなくなって寂しがるのは構わないが、ほどほどにしとけ。悲しいとか、ツラいとか、わたしは置いて行きたくない
- 人生で いちばん素敵なことは、遠回りすることだよ。
- 幸せそうなひとを見て、どう思うかで、自分が幸せか どうかが決まる
- 『普通』という言葉に恐れを抱き、怯えてしまう人間は存在するんだ。
リアルタイム視聴時には気づかなったところに気づいたり、2周目でもやっぱり同じ場面で泣いてしまったり、でも絶妙なコメディ要素でクスっとさせられたりと、本当いいいドラマだなあと再度感じました。また時間をおいて3周目にチャレンジしようと思います。