テレビ雑缶

テレビやドラマ、マンガなどの感想などをつづります。

今さらながらドラマ「Mother」(坂元裕二脚本)を見ました。(2010年、日本テレビ)

『Mother』(マザー)は、2010年(平成22年)4月14日から6月23日まで、日本テレビ系の「水曜ドラマ」枠で放送された日本のテレビドラマです。主演は松雪泰子。脚本の坂元裕二による完全オリジナルストーリー書き下ろし作品。

以前から見たかったのですが、Hulu(フールー)しか配信が無くて。たまたま短期間契約する機会があったので、見てみました。

ストーリー(公式より)

このドラマは、現代を生きる「女性たち」の物語です。
女性たちが、それぞれの生きる道の中で、自分を見つめ直し、
自身で生き方を探し求めていく物語です。
そしてこのドラマの中枢に据えるキーワードは「母性」。
彼女たちはそれまで見向きもしなかった自らの奥底にある「母性」を発見し、
時に戸惑い、時に翻弄され、
そして心の寄る辺とし、女性として、人間として成長します。
物語を通し、女性たちが女の生き方や幸せについて自ら考え、
女性として生まれてきたことに自信と誇りを持ち、
前向きに明るく生きていこうと、そんな気持ちを起こさせるドラマを目指すものです。
このドラマを、すべての女性たちへ捧げます

2日間かけて全話を見たのですが、毎度毎度泣けるシーンがあって、身体中の水分がなくなるかと思いました。最終回ではティッシュ箱を抱えて視聴。

・血のつながりとは?
・逆に血のつながらない親子の在り方とは?
・人を救うことと罪を重ねること、善悪とは何か

ズシッと重いテーマでした。

初回が70分越え、全11回。全編にわたり人間模様や心情などが丁寧に描かれています。

当時5歳だった芦田愛菜さんが演じるつぐみ(伶南)。役柄では2年生。シングルマザーである母の恋人(綾野剛、若いw)が家に転がり込んできたため、居場所がないつぐみ(伶南) 。よくポストの前でぴょんぴょんしながら、投函口をのぞくシーンがあるのですが、あんな悲しい理由があったとは…。

今よりだいぶ若い山本耕史が、途中で奈緒(松雪泰子)を脅して1000万円を巻き上げようとしたときは、コイツはシングルマザーの敵!と思ったものですが、後に協力者になったりして最後には評価が変わりました。

元々は子供が嫌いだった奈緒。つぐみと過ごすうちに鎧がはがれてきて、本当の意味で心を通わせる場面が増え、子供を通した人間の成長なども描かれていました。

ただこの回数があると、終盤にもう一山あって、最後の最後まで気の抜けない内容でしたね。最後は、誘拐犯として警察に追われる奈緒。逃走を手助けする奈緒の産みの母(田中裕子)。

最後の最後までハラハラドキドキ、そして号泣の連続でした。

ギリギリまで「今」を描いた理由

最後の最後、ギリギリまで「今」の物語りを紡いでいたのは、何か意味があったのでしょうか?あの尺があるのであれば、エピローグとして、12年後のシーンがあっても良かったのではと思ったり。ちらっと二人の手とクリームソーダが映っている場面から、大人になったつぐみと奈緒が再会したのだろうことは予想できますが。

室蘭の施設から7歳の子が1人で、東京に来る件はリアリティは無かったのですが、それでもお母さんに会いたい気持ちと、つぐみの賢さや行動力に感服。やられました。

坂元裕二ドラマと言えば「手紙」

つぐみの生きるよりどころだった「すきなものノート」がまた泣かせるんですよね。すきなものを書き綴ったそのノートが、過酷な状況にいるつぐみを救ってきたのは確かなのですが、わずか7歳の子が、そうしなければ生き延びることができなかったその環境と生きざまに落涙。

そして、家出するつぐみから奈緒への手紙。
施設から「私をもう一度誘拐して」と電話口で言うつぐみ。
奈緒からつぐみへの手紙。

数々の名場面がありました。
坂元裕二脚本のドラマには「手紙」が重要なアイテムとして登場することが多いのですが、今回もまた。(そしてほぼ必ず泣ける)

つぐみは、基本的に素直でいい子です。でももしかしたらサバイバルするために身につけた習性なのだとしたら、それは少し悲しいこと。

ただし、つぐみの産みの母・仁美(尾野真千子)も初めから毒母だったわけではなく、シングルマザーとして懸命によき母として子育てしていた時期もあったんですよね。恋人ができて、子供につらく当たり始める典型的な転落毒母でしたが。

仁美がつぐみに対してしたことは許されることでは無いけれど、それでも、「つぐみに選ばれなかった生みの母ざまぁ!」と手放しで言えないのは、苦労しながらも「ちゃんと」子育てした時代が描かれていたから。

今なら、児相に通報して保護の流れになるところを、敢えて誘拐という形にしたのでしょうが、それでも、血のつながりの有無、人としての絆など重々しいテーマや社会問題がごっそり入っていて、泣けるし考えさせられるし、見終わった後はしばらく動くことができませんでした。

時代背景

ファッション、メイクが古いのは、まあ織り込み済みですが、あの頃は身体にフィットする服が多かったんですね。今はオーバーサイズのゆるっとした服が多い時代なので、身体の線がわかってしまう当時の流行は、体型を気にする民にとって厳しいスタイルが多かったかも…としみじみしてしまいました。

スマホがない時代に、携帯電話と公衆電話だけで、離れた同士が会えたり、偶然の出会いがあったり、推理小説ばりのトリックがあったのも見どころの一つですね。

以上、Huluを有料契約しても見た甲斐があったドラマでした。
契約期間が残っているうちに、他のドラマや映画も見てみようと思います。