テレビ雑缶

テレビやドラマ、マンガなどの感想などをつづります。

NHKの単発ドラマ「むこう岸」がとても良かったので感想を。ヤングケアラーや行き過ぎた教育問題

ゴールデンウィークスペシャルだったのかな?NHKのニュースを見たあと、そのままの流れで始まった「むこう岸」というドラマがとても良かったので、感想を書いておきたいと思います。

中学生の山之内和真は「進学校で落ちこぼれ転校した」という秘密を、同じクラスの佐野樹希に知られてしまう。口止めに命じられたのは、口のきけない少年・渡辺アベルに勉強を教えること。親しくなる3人だったが、病気の母と幼い妹を抱える樹希は、将来の希望を失い、看護師の夢をあきらめていた。見かねた和真が手にしたのは『生活保護手帳』。難解な内容を読み解き、解決策を見つけようと奮闘する。

原作:安田夏菜「むこう岸」

むこう岸 - NHK

教育熱心な親の元、過酷な中学受験を勝ち抜き入学した私立中学で落ちこぼれてしまい、3年から公立に転校した和真(西山蓮都)。父親が病気で亡くなり母親はうつ病で働けず、生活保護を受けながら学業、家族の世話、家事などの日々を送る樹希(石田 莉子)。それぞれに悩みを抱える対照的な同級生二人が物語の中心。

とは言え、やはり「生活」という観点からの深刻度はどう考えても樹希の方が大きくて。看護師になりたいという夢も、生活保護をもらいながらでは難しいと一時は諦めます。

その後、和真が生活保護手帳を読みながら、めちゃくちゃ勉強して、樹希のような状況でも進学ができる制度があることを見つけ出し、和真が通う塾でケースワーカーの経験がある先生に相談することで、解決に近づきます。

塾の先生が、樹希にそういった制度があることを説明し「あなたはどうしたいの?」と聞いてきたのも良かったし、何より「生活保護は施しじゃない。投資だ」と明言してくれたところに大きな大きな救いがありました。

生活保護と言えばネガティブなイメージが先行してしまいがちですが、樹希の家庭のように、「働ける大人が一人もいない」状況だってあるわけで。本来であれば堂々と制度を利用していいはずなのに、同級生から生活保護のことでいじめを受けたこともあり、後ろめたさを感じながら暮らすという。樹希のような状況は、誰にでも起こる可能性があるというのにね…。

そして私たちが納めている税金も、国の不透明な使途や裏金問題だけじゃなく、樹希のような家庭に使われていると知ることで、納税してきて良かったと感じることができるのではないでしょうか。最後は樹希と和真の両者にとって希望を持てる終わり方なのもよかった!何より、樹希の生きざまが力強く、見てる方も励まされましたね。

こちらのドラマはNHKプラスでも配信されているそうです。大人も子供も関係なく、全国民に見てみて欲しいドラマです。

原作:安田夏菜「むこう岸」

むこう岸