テレビ雑缶

テレビやドラマ、マンガなどの感想などをつづります。

NHK大河ドラマ「光る君へ」の第33回がとてもとてもよかったので感想を

「光る君へ」の第33回「式部誕生」では、オープニングの映像が変わったり(やっと…!)、まひろが「式部」と呼ばれるようになったり、タイトル回収があったり、ただの大人しい姫と思っていた中宮・彰子の本音が少しずつ垣間見れるようになったりと、視聴者へのご褒美みたいな回でした。ありがとうありがとうありがとう。

極めつけは、道長から「褒美」としてまひろに贈られた扇。もうあんなの泣くしかないでしょ!脚本と演出のうまさに、思わず「うーーーっ」と声を出して泣いてしまったではないか。やられた…!

終盤、大和の僧侶が内裏にやってきて不穏な空気を醸し出していましたが、できればもうちょっと扇の余韻に浸りたかったなあ。

■内裏勤めをすることになったまひろだが…

内裏勤めに馴染めず、物語の執筆が進まないまひろ。8日目にして実家に帰ってしまい(笑)、しばらく自宅で書いてから原稿を持参するという流れでした。

中宮付きの女房達は確かに陰湿な感じではありましたが、それよりも人の往来が多くて「集中できない」のが、まひろにとって苦痛だったようで。(それが仕事ですもんね)

もっとネチネチやられるのかと思っていましたが、思ったほどではなかったのでちょっとホッとしました。

■少しずつ本音を出す彰子中宮

人形のように大人しく感情の起伏がないと思われていた彰子中宮でしたが、敦康親王との粋なやり取りがあったり、まひろに対して「好きな色は、実はね…」と話したり、ちょっとずつ彰子らしさが出て来たようです。そして、まひろとの会話の中で「光る君」が出てきて、ついにタイトル回収!33回目にして、待ち焦がれていた瞬間がやってきました。やったー。

ちなみに彰子中宮は、源氏物語の「女三宮」のモデルではないかと個人的には思っている。

■一条天皇も認める面白さ

一条天皇は、源氏物語を読んだ当初は「朕をディスっているのか」と不愉快そうでしたが、段々面白くなってきて、続きが読みたいと口にするようになりました。それこそが道長の狙っていたこと。源氏物語読みたさに中宮へのところへ渡っていただく。そんな流れができつつあります。とは言え、彰子が一条天皇の子を産むまであと3年かかるんですけどね。

■道長からのご褒美が素敵過ぎた

一条天皇が源氏物語を気に入り、彰子のとろこに顔を出すようになった「褒美」として、まひろに扇を贈るのですが、その絵柄として幼い時の二人の出会いのシーンが描かれていたんですよね。そして、その絵柄は源氏物語の「若紫」のとある場面のオマージュになっておりまして。はい、泣きました。泣かずにはいられませんでした。

若い時のように情熱に任せたやり取りはないものの、心を通わせるシーンはたびたび出てきますね。道長って意外とロマンチストなのかな。(このドラマでは)

こうした恋愛要素はいらないと思っていたのですが(どう考えても史実にはない。身分が違い過ぎ)、こういう設定があるからより物語に引き付けられるのかもとも思ったり。いずれにしても破綻しない脚本って最高ですね!長丁場の大河で…さすがです。

↓もらった扇を大事そうに抱えるまひろさん

音楽も良いんですよね。
テーマ曲はオリジナルではあるものの、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番風に作られていてドラマティックだし、ピアノを弾いているのは反田恭平さんだし。こういうところ、きっちり予算を使ってくるのがNHKだよなあとしみじみ思っております。