Tverで「家政婦のミタ」の6~最終話(11話、10.5話含む)が無料放送だったので、一気に見ました。
家族の再生、人間再生の物語ではあるのですが、ホラー要素やサスペンス要素が存分に含まれていて、正直「次に何が起こるかわからない」という状態で。とにかく引き込まれてしまいました。(途中でやめることが難しかった…!)
母親が自殺し、きょうだい4人と残された父親。しかも父親は子供たちを捨て、不倫相手と一緒になろうとしていたという救いようのない状況。そこから、なんとか再生の道を見出し、力を合わせてやっていくことになる、その一助を担ったのが家政婦の三田さんで。
あんなに不愛想でロボットのような返答しかしない家政婦の三田灯(みたあかり)ですが、さまざまな出来事を通して、きょうだい4人は、彼女のことが大好きになるんですよね。しかし、過去の出来事がもとで、自分は幸せになってはいけない人間であると、固く決めた三田灯。段々、自分もその家族のことが好きになってしまい、葛藤するという、どちらの心の変化の過程も不自然なく、描かれていました。
ルービックキューブやゲームにも強く、難しい数学も解け、バスケも強い。誰かにアクシデントがあっても、即座にバッグから解決グッズが登場する。
(ドラえもんの四次元ポケットなのかな?と思うほどw)
雇い主から殺せと言われれば、殺人にも手をそめようとする。家に火をつけようとしたり、自分に灯油をぶっかけたり、はたまた雇い主の会社に行って、中傷するビラをまいたり。業務命令には、とことん従うという。たとえ、それが犯罪であっても。
前半は、家政婦の三田の不気味さが存分に描かれ、後半は少しずつ感情を取り戻す彼女の人生に触れ、8話あたりからは涙、涙。そして最終回では号泣。高視聴率を獲得したのも納得です。次の展開が読めなさ過ぎますもんね。ハラハラドキドキ。
そして、三田灯のキャラをぶらさずに完走した脚本、演出はお見事でしたね。先日、「さよならマエストロ」で芦田愛菜扮する響が、いきなりキャラ変するご都合主義を見たばかりだったので、あのロボットのようなキャラを貫き通したキャラ作りもすごいし、やりきった松嶋菜々子にはスタンディングオベーションです。
子役の皆さんの熱演にもくぎ付けに。きょうだい4人が、物語をけん引する場面が多く、特にきぃ役の本田望結は天才過ぎて、ずっと見ていたいぐらいでした。
脚本はヒットメーカー遊川和彦氏、そして、チーフプロデューサーの田中芳樹氏は、火曜サスペンスを担当していたんですね。どうりで、ミステリー&サスペンス要素の強いドラマだなぁと。経歴を見て妙に納得。
ちなみに、Wikipediaによれば「遊川は役者に無理難題を課す脚本を書くんですが、それが魅力でもある」(若村麻由美)のコメントがあるので、三田灯の役作りも他大変だった可能性がありますね。
そうそう、ちゃんと視聴者へのアンサーがあるのもよかった!
- いつどんな時でもダウンを着ている三田さんに「夏でもダウンを着るのか?」と尋ねる父(長谷川博己)
- なんでも出てくる三田灯のバッグを、三田さんが見ていない時に、子供たちみんなで無理やりこじ開けようとしたり
今はこういうドラマは作れないのだろうなあという気がしています。いじめ、暴力、暴言、火事など、結構衝撃的なシーンが何度か出てきますもんね。