テレビ雑缶

テレビやドラマ、マンガなどの感想などをつづります。

NHK朝ドラ「虎に翼」新潟編の感想 ~優未にいろいろ背負わせ過ぎではないかと思うのだが…

「虎に翼」の新潟編がいよいよ終盤に差し掛かっています。
脱落することなく、欠かさず視聴していますが、新潟編はだいぶテイストが違うドラマになっていて戸惑うことも多々。

ちょっと暗さというか重たさがあり、それは支部長として配属され、寅子の社会的立場が変わった証でもあるのかも知れません。

・取り扱いが難しい事件
・涼子様との再会、車いす生活の玉
・にぎやかで楽しい家族と離れて優実との二人暮らし

正直、学生時代から優三さんが亡くなるあたりまでが一番面白かったなあと思いながら見ていたり。寅子もドラマの中では、ある程度の年齢になっていくから、そんなにキャッキャッともできないよなあと頭では理解しつつも、「最近、違うドラマになってない?」と違和感も感じつつ。

それでも、新潟に花江が来てくれたシーンなんかは、学生時代のように、キャッキャッとはしゃいでいたのが、寅子らしくて微笑ましかったし、時折個人的に思う「寅子らしさ」が垣間見れる場面はちょこっとありましたが。

優未にいろいろ背負わせ過ぎな件

寅子の一人娘の優未は、ホントにいい子ですよね。(良い子のふりをしているだけという噂もありましたが)母の寅子が仕事で悩んだ時は、お手伝いさんと映画に行くと言って一人にする時間を作ってあげたり、優三のお守りの中に、こっそり手紙を見つけるという(これがなかったら再婚話は進まなかったかも)ホームラン級の行動があったり、母の恋愛にも理解があったり(花江にこっそり手紙を書いたり)。

でもね、ちょっと優未を都合よく使い過ぎていないか?と思うのです。普通の子は「母が恋愛で困っているから、来て!」と叔母に手紙を書いたりしないだろうし、お母さんが悩んでいるから一人にしてあげよう、なんて思う子は一体どのぐらいいるのでしょうか。少なくとも、自分の周りにはいません。

航一との関係も、通常は優未の立場なら最初はギクシャクしながら、少しずつ心を開いていくパターンになることが多いのではないかと。(あえてそういう「ありがち」な展開にしなかったのは、尺の関係?)

もしかしたら、物心ついた時から父親がいない優未にとっては、案外新しい父親(現時点では、母親の恋人)というのは、すんなり受け入れられるものなのかも知れませんが、この辺の展開で優未を都合よく使う流れに大きな違和感を持ちました。

お守りの中にあった優三さんの手紙も、戦地で書いたとは思えないくどさだったし。(とは言え、声だけでも優三さんの出演があったのは嬉しかった…!)

ついに航一と気持ちを打ち明け合う!

優未の扱いに関していろいろ思うことはあったものの、一方で寅子の再婚までの道のりをどう描くかずっと気になってはいたのですが

・永遠の愛を誓わない
・互いに前の配偶者を愛したままでもいい

「なりたい自分とかけ離れた、不真面目でだらしがない愛だとしても、僕は、佐田さんと線からはみ出て、蓋を外して、溝を埋めたい。」

この辺りの航一のセリフはよかったですね。
無理やり過去を忘れるのではなく、互いに、以前の配偶者を思いながらも、関係性を進めていく。「だらしがない愛」という表現には賛否両論あるようですが、いよいよ二人の心が通い合うあの一連のシーンの中では、そこまで気にはならなかったです。二人らしい、気持ちの伝え合いだったなと。(そしてまた涙)

「優三のことは忘れなくていい、思ってていい」は、視聴者へ向けてのメッセージも含まれているのかな、なんて思いました。私たちは優三さんのことも忘れないし、新しい夫である航一のことも堪能する、それでいいんだ。

・・・

余談ですが、航一役の岡田将生は、個人的には「大豆田とわ子と三人の元夫」の中村慎森のイメージでして。クセの強いイケメン弁護士役なんてピッタリ過ぎると思っておりましたが、今期の朝ドラで少しイメージが変わりました。(いい意味で)

・・・

次週は東京に戻るようですが、優未役の竹澤咲子さんとお別れするのが寂しいーーー。