テレビ雑缶

テレビやドラマ、マンガなどの感想などをつづります。

テレビを批判するのはテレビを見ていない層…コタツ記事とSNS炎上の関係

第8回の「不適切にもほどがある!」を見て、令和の世で起こっている不寛容な出来事について、強烈に皮肉ってる描写があったので、番外編的な話を書いておこうかと。

Yahoo!にこんな記事がありました。

news.yahoo.co.jp

ドラマの中で、うっかり不倫をしてしまった男性アナウンサー(小関裕太)。閑職に追いやられ3年間ADなどの下積みを経て、復帰の機をうかがうも、リスクマネジメント部の部長・栗田(山本耕史)に阻まれ、白紙撤回。紆余曲折を経て、朝の情報番組にチラッと登場するのだが…。

この時、SNS(恐らくX/旧Twitter)で反響をチェックしていたテレビ局側。番組を直接批判した投稿はたったの2件だったが、それがWebライターのコタツ記事に。

コタツ記事(コタツきじ)は、ジャーナリスト、ライターが現地に赴いて調査を行ったり取材対象者に直接取材したりすることなく、インターネットのウェブサイト、ブログ、掲示板、SNS、テレビ番組などのメディアで知り得た情報のみを基に作成される記事である。

Wikipediaより

このコタツ記事がもとでSNSで拡散され、それをネタにしたコタツ記事その2になり炎上していくと。(Yahooニュースなどに載って、コメント欄が炎上するものも含む)

不倫アナが朝の情報番組で街頭ロケに復帰
  ↓
SNSに批判の投稿(2件)
  ↓
コタツ記事としてWebに掲載
  ↓
これがSNSに拡散
  ↓
コタツ記事その2となって炎上
(Yahooニュースのコメント欄含む)

このような流れだと渚(仲里依紗)が解説。確かに昨今の炎上の流れは、こうしたものが多いかも知れない。万が一、テレビのニュースになれば、小炎上が大炎上になる可能性も。

しかし、このバッシングの実態が栗田によれば

「テレビが向き合う相手は視聴者ではなく、テレビを見ないで文句を言う最初から悪意しかない人たち。だから不毛なんです」という。

とのこと。テレビ局が向き合う相手が、視聴者ではなく「見ていない層」という皮肉な現象。

不倫アナが出演する番組は、スポンサー不買運動が起こることもある。そうするとスポンサーからクレームが来て、結局は不倫アナを降板させるしかなくなってしまう。この部分については、番組ではサラッとしか触れていませんでしたが、思い切ったことができなくなったのは、こういう所も一因だよなあと思わざるを得ません。

実は栗田自身も結婚3年目で不倫をし、その罰を17年間受け続けていたということがわかり、昔のドラマ「金曜日の妻たち」をオマージュしながら「不寛容な世の中」について描かれていました。

インターネットが発達して、世界中の人が閲覧できる場所に、気軽に自分の意見を書き込めるようになりました。自分と同等の意見がたくさん集まれば、それは「世論」という形で強く大きな主張になります。「しょせん便所の落書き」とスルーできた時代は過去のこと。残念ながら、そうしたネットの世論が無視できない世の中になってしまったのですよね。

個人的にはテレビは結構見ている方ですが、それでも昔とバカさ加減が全然違いますもんね。「8時だよ、全員集合」や「電波少年」のような番組はもう作れないんでしょうね。そんなことを、改めて感じた第8回でした。