テレビ雑缶

テレビやドラマ、マンガなどの感想などをつづります。

NHK朝ドラ「虎に翼」毎回泣かされた第9週、胸が熱くなるシーンの連続でした!そして物語は第2章へ

朝ドラ初心者、「虎に翼」にドはまりしております。
これまでもエモーショナルな場面や回が多々ありましたが、第9週(41~45回)は戦争や身近な人々の死が絡んできて、それはもう言葉にできない感情がこみ上げてきました。

このドラマのすごいところは「身近な人の死=悲しみ」という単純な描き方ではないということではないでしょうか。優三の戦病死(戦死ではない)を半年後に知った寅子は、その時にあまり泣けなくて。兵士の病院で隣だった人が、優三からもらった寅子作のお守りを、わざわざ猪爪家まで届けに来てくれた時も、まだ泣けなくて。

母が、家のものを売ったお金があるから、少し息抜きをして来るよう寅子に申しつけ、半ば強制的に街ぶらすることになるのですが、全く楽しめなくて。焼き鳥を2本買っても、もう一緒に食べる相手がいない寅子にとっては、食が進まず。結局、新聞に包んでもらっていつもの河原へ。

でもそんな行動が次のシーンに繋がるんですよね。

憲法14条と優三の言葉の繋がりが見事で震える

それはもう震えるほどのシーンでした。

テイクアウトした焼き鳥を包んでいた新聞に日本国憲法の発令が載っていて。憲法14条の「すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」を見ながら、優三を思い出す寅子。戦地に赴く前に、いつもの河原で優三が寅子に言ったセリフが、まんま憲法14条だったという。

法律と、夫婦の会話がこんな風にリンクするなんて誰が予想したでしょうか。心の宝箱にずっとしまっておきたい名シーンでした。

↓イラストでうまくまとめて下さっている方がいるので見てみてください。

ようやく、寅子が声を上げて泣くことができた場面でした。音楽もめちゃくちゃ良かったですよね。悲しい時は思いっきり悲しまないと、前に進む力が湧いてきません。寅子がおいおい泣くことができてよかった…!

少し時は遡りますが、優三との別れのシーンも名場面でしたね。寅子の全力の変顔もよかったし、優三の何とも言えない別れの表情も素晴らしかった…。

平等であるべきは女性だけではなく男性も

号泣の河原から帰宅して、家族会議を開く寅子。
本当であれば、大学に進学して自分の興味ある分野について学びたかった弟・直明は、猪爪家で成人男子が自分だけになってしまったことに責任を感じ、働いて家を支える決意をしています。

しかし寅子は「大学に行け」と強硬に説得。
「男だからって、家のことに責任を感じなくていい」と。自分が働くからと。

そう、平等であるべき対象は男女関係ないですよね。
「男女平等」というと、どうしてもまずは女性側の不平等を是正する方に目が行きがちですが、男性だって平等に扱われる対象なわけで。
この展開がすごくよかった!

オープンニングがエンディングに

大河ドラマでも、たまにあるのですが、通常開始1分未満で始まるはずのオープニングが13分過ぎだったんですよね。

この演出も、「第1章の終わり」と「第2章の始まり」の区切りになっていて、良かったなあと。

泣きっぱなしの週でしたが、来週からはまた「はて?」が復活し、次の人生に向かっていく寅子を心から応援したいと思います。

毎日15分。こんなにも起伏があって、心ゆさぶるストーリーを持ってくる朝ドラ、恐るべし…!