
NHK朝ドラ「あんぱん」が終わりました。
今頃の更新となりますが、最後に書き残しておきたいと思います。
途中、脚本が破綻しているところが随所に見られたこと、とにかくのぶのキャラクターがぶれていたこと、そしてヒロインの表情が3~5パターンぐらいしかないことに疲れてしまいました。
「ばけばけ」も面白そうですが、「朝ドラ疲れ」を起こしているため、見る気力がわきません。(と言いつつ、ダイジェストを見て面白そうだったら視聴しようと考えていますが)
もちろん悪かったことばかりではなく、よいこともありました。例えば、嵩(北村匠海)が戦争に行くシーンは2週間かけて、じっくりその悲惨さを伝えていたし、ここは丁寧に描くという制作側の気概が伝わってきました。
この描写があったからこそ、やなせたかしの「戦争がきらい」に繋がるのだと納得できたし、最後にのぶ(今田美桜)が死ななかったのも良かった。史実では、夫より先に亡くなる暢さんですが、ドラマのラストは、夫婦二人で犬の散歩をするというほのぼのシーンで終わったので、そこは無駄に心を削られずに済んでよかったと思っています。(それまで削られ過ぎていたので)
柳井嵩を「ダメな子」扱い
アンパンマンを生み出し、世に受け入れられるまでの柳井嵩(北村匠海)を「ダメな子」扱いしないで欲しかった。
のぶに「マンガを描け」と言われても描けない時代があったりしたものの、嵩は漫画以外でその才能を発揮していきます。詩や台本を書く、舞台の美術を担当する、演出をする、作詞をする、ラジオ番組のシナリオを書く、雑誌の編集長になるなど、クリエイターやアーティストとしての活躍は目覚ましいものがあります。そこへのリスペクトが感じられない作りになっていたのは、すごく残念。
実在の人物なのだから、もっと魅力的なキャラクターとして描いて欲しかった。私がやなせたかしの遺族だったら、猛抗議しただろう。
のぶのキャラクターがブレブレ
のぶのキャラクターを統一して欲しかった。
やなせたかしに比べて、暢さんの情報が少ないとは言え、脚本でいい具合に膨らませることはできなかったのか?確かに膨らんでいた部分はあるものの、方向がおかしい場面が多かったですよね。
本来は「はちきん」(気が強い)だったはずなのに、塩らしかったり言いたいことを飲み込むことが何度もあったり。途中までキャリアウーマンっぽく描かれながらも、家庭に入ってからは主婦。でも糟糠の妻という感じでもない。
その辺りの流れの心理描写がもう少し丁寧であって欲しかった。のぶの行動の裏付けがないんですよね。
果ては、突然の「登山好き」設定。これには、心底あきれてしまいました。
嵩が出世して、マンションを購入し移り住むようになった頃から、のぶが嵩の仕事に口を出すようになり、果ては打ち合わせにまで同席し、相手に意見するシーンも違和感がありました。どこかの段階で「この頃から、のぶは嵩のマネージャーとして仕事を手伝うようになりました」と林田アナのナレーションで一言入っていれば、そのようなふるまいにも納得出来たかも知れません。ほんのちょっとのことなのですが、視聴者には「???」のまま進行するケースが見られました。
そんな中でも、「自分は何者にもなれなかった。嵩の子も産めなかった」としみじみと語るシーンがあったのは、数少ないのぶの本音が出ていて良かったなと。そう、このドラマって「のぶが何を考えているか」が見えにくいんですよね。
輪をかけて、のぶの表情が乏しく、3パターンぐらいしかない様相からどう読み取ればよいのか私にはわからなかったです。「たまるかー!」の時だけは元気一杯でしたが。
脇の皆さんは素晴らしい
脇を固める江口のり子や松嶋菜々子、戸田奈穂らは良かった。全員母親役ですが、それぞれの個性や特徴が際立っていて、その辺りは安心して見ることができました。松嶋菜々子の「らしさ」全開は言うまでもありませんが、江口のり子のちょっとした表情の変化や仕草がスゴイ。わりとあっさりした面持ちではありますが、細かい部分の表現力には感心してしまいました。
メイコ役の原菜乃華も、妹キャラ全開で良かったし、河合優実の落ち着いた次女役もよく頑張っていたなあと。特に豪が戦争に行く直前に互いの気持ちが通じ合うところは涙なしでは見られなかったし、その少し前からの「恋する蘭子」の繊細な描写と演技も、視聴者に「おっ」と思わせる印象深いものでした。
八木との今後についも、最後の最後は希望が持てる終わり方だったのもよかった。
・・・
ここまで不満を言いながらも最後まで視聴した自分を褒めたいと思います。そして、やはりNHKの朝ドラというのは、多くの視聴者をひきつけて止まない「何か」があるのだろうなあと、朝ドラ視聴歴3作目のひよっ子ウォッチャーは考えるのでした。
さて、「ばけばけ」はどうしようかね。