テレビ雑缶

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【カンヌ映画祭】脚本家の坂元裕二氏が受賞!推しの脚本家の受賞はとても嬉しい

先日、カンヌ映画際で脚本家の坂元裕二氏が「脚本賞」を受賞するというニュースがありました。好きな脚本家の一人で筆頭だったので、とても嬉しい。受賞のコメントが「たった一人の孤独な人のために書いた」。もう、まんま坂元裕二ドラマのセリフのようですよね。

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ご存じない方もいるかも知れないので、お伝えしておくと、坂元裕二オリジナル脚本のドラマ「Mother」は世界35か国以上でリメイクされるなどの実績がある人です。国内でも数々の脚本賞を受賞。直近だと2022年の「初恋の悪魔」が第113回 ザテレビジョンドラマアカデミー賞 脚本賞、さらに2023年には紫綬褒章も受賞しています。

カンヌ受賞で坂元裕二という名を初めて耳にした人も多いかも知れませんが、これを機にぜひ覚えていていただきたいと思います。

坂元裕二作品は、近年「見る人を選ぶ」「万人うけしない」などと言われてたりしますが、ストーリーもセリフもハマるとクセになります。(ただし視聴率がふるわないことも…)

受賞を記念して、私が好きな坂元裕二ドラマを4つ紹介しようと思います。

東京ラブストーリー(1991年・フジテレビ)

原作は柴門ふみの漫画。当時、すごく流行ったので原作も読んだし、ドラマも必ず見ていました。最高視聴率は32%!スマホがなかった時代の話です。

■おもな出演者
鈴木保奈美、織田裕二、有森也実、江口洋介など

先日たまたま見たBSで初代東京ラブストーリーが再放送されていて、あまりのなつかしさに見入ってしまったのですが、当時は脚本家や演出など、全く意識せずに見ていましたね。ちなみに、その再放送で見た時に「脚本 坂元裕二」とデカデカと表示されたことに驚きました。当時は、脚本家の扱いも今より大きかったのかな?

↓うっかり見てしまった再放送

tv-zakkan.com

大豆田とわ子と三人の元夫(2021年・フジテレビ)

「おおまめだとわこ」という響きがすでに心をつかんでしまう訳ですが、個人的に視聴したのは、ドラマが終わってから1年後ぐらいでした。

東京ラブストーリーから、ここまでブランクがあるのは途中、テレビをほとんど見ない時期があったのが理由です。近年、ドラマのよさを再発見し復活するきっかけになった作品の一つです。

ちょっと都会的な雰囲気で、松たか子扮する「大豆田とわ子」のファッションもオシャレで華やかで素敵でした。3人の元夫たちと織りなすせつない人間模様が印象的なドラマ。途中、親友との悲しい別れなどもありますが、決して大げさな描写はしないんですよね。でも、ふとした時に「もうこの世にいない」ことを実感し、見ていて涙がホロッとこぼれてしまう…そんな場面もありました。

ナレーションが伊藤沙莉だったので、コミカルかと思いきや重い内容もあり。しかし重々しくなり過ぎずに描いているのがさすがです。

■おもな出演者
松たか子、松田龍平、市川実日子、豊嶋花、角田晃広、岡田将生、高橋メアリージュン、オダギリジョー、石橋静河 など

カルテット(2017年・TBS)

時系列がアレですが、自分が見た順番ということでご容赦ください。
大豆田とわ子をだいぶ遅くなってから見て、「これは面白い!」となり、同じ坂元裕二脚本のカルテットがアプリの配信にあったので、休日に一気見しました。

こちらも松たか子が主演、松田龍平も登場します。基本的に音楽ものは好きなのですが、「カルテット」の名の通り4人の人間模様が描かれた作品。時にミステリー要素も入ってきたり(もたいまさこが出ている時点でお察しか)、主人公・真紀(松たか子)のまさかの過去があったりと毎度目が離せない展開でした。

放送当時、SNSで盛り上がっていたのは知っていたのですが、当時あまりドラマを積極的に見ていなかったのでスルーしていたんですよね…。(もったいなかった…!)

■おもな出演者
松たか子、満島ひかり、高橋一生、松田龍平、吉岡里帆、富澤たけし、八木亜希子、宮藤官九郎、もたいまさこ

初恋の悪魔(2022年・日テレ)

これも、本当に坂元節が光るドラマでした。最初はちょっとクセの強い人たちが集まった事件解決ドラマかなと思ったのですが、いやいやいやいや、群像劇ありミステリーあり、せつない恋愛あり、友情や家族との関係、サスペンス要素もありと盛りだくさんでした。

ドラマのジャンルについては各メディアからミステリアスコメディ、没入型推理ラブサスペンスコメディ、ヒューマンドラマ、サスペンスコメディ、サスペンス・ミステリーなど様々な種類の紹介がされているが、公式ではミステリアスコメディというジャンルに表現が統一されている

とWikipediaに書かれているように、定義がしにくいドラマだったと思います。それでも、宝箱にしまっておきたくなるような名セリフにあふれ、毎週毎週土曜日の夜が楽しみでした。

ちょっとした表情で人格が切り替わる星砂(松岡茉優)や不器用ながらもだんだん周囲に心を開いていく鈴之助(林遣都)など、演者の上手さも光っていましたね。最終回では3回泣きました。号泣しました。

回収しきれない伏線もありましたが、心に残る名作です。

■おもな出演者
林遣都、仲野太賀、松岡茉優、柄本佑、安田顕、毎熊克哉、佐久間由衣、伊藤英明、田中裕子

ちなみに坂元裕二氏の奥さんは、女優の森口瑤子です。あまり知られいないかも。