テレビ雑缶

テレビやドラマ、マンガなどの感想などをつづります。

ドラマ「不適切にもほどがある」5~8の感想 ~余命を知った後の生き方~

ドラマ「不適切にもほどがある!」の4回目感想を書いてから間があいてしましましたが、見ていなかったわけではなく、むしろ毎度毎度笑ったり泣いたりしながら見ております。いやー、面白い。

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小川市郎(阿部サダヲ)と渚(仲里依紗)が祖父と孫であることや純子が渚の母親であることが判明したり、昭和の世界で純子(河合優実)に思いを寄せるムッチ(磯村勇斗)先輩が、父親になってその息子が市郎と出会ったりと、いろんなことがありました。

群像劇スタイルでゲストが登場する回もあれば、市郎を軸に話を進める回もあり、いろんな手を使ってきますね。

ただ毎度笑いばかりではなく、実は市郎と純子が阪神淡路大震災で亡くなってしまう運命にあるというシリアスな未来も判明しました。

イケメンのなれの果てが古田新太なのは、なぜなのか

純子が結婚した相手がディスコ(!)の黒服(錦戸亮)で、そのなれの果てが古田新太だったという衝撃。

以前、「俺のかわいいはもうすぐ消費期限!?」というドラマで主役を演じた山田涼介の未来の姿も古田新太だったんですよね。イケメンの行く末が古田新太なのは、なぜなのか。狙っているとしか思えないキャスティング。

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純子、ボーナス回でかわいくなる!

市郎からの提案で、純子が令和の世にタイムスリップ。スケバンの恰好をしている人間は一人もおらず、耳からうどんが出ている人の往来、三原じゅん子が議員になっていること等々に衝撃を受け、渚のアテンドもあり純子が令和風の清楚な女子に大変身。か、かわいい…!

カットを担当した美容師・ナオキ(岡田将生)と恋に落ちます。普通の恋愛ドラマが始まり、ちょいと戸惑いが。終わってみて「この回は必要だったのか?」と思ったりもしたのですが、その後、純子がスケバンを卒業し、ちゃんと勉強をし大学に入るきっかけになった回と考えると、必要だったのかなと。

一旦、昭和に戻ってサカエにタイムスリップ時の報告をする純子のセリフの中に、令和の世の「あらすじ」的なものが含まれていて、脚本が上手過ぎるなあと感心してしまいました。

サカエとキヨシのその後

中学生の息子とともに昭和にタイムスリップしているサカエ(吉田羊)は、息子(坂本愛登)の担任(中島歩)といい感じに。サカエにとって顔がドストライクで、中身が板東英二?!の先生と成就なるか?

息子は息子で、昭和の学校生活をエンジョイ中で、これはひょっとして二人して昭和に居座る流れか?

サカエが、小学生の頃の自分と一緒に、公園のベンチでメロンパンを食べるシーンがありましたが、近づいてもビリビリしないのが不思議なんですよね。まだいくつもの謎が潜んでいます。

そうそう、タイムマシンの開発者でサカエの元夫が、モラハラ旦那だったことも露呈し、これは離婚されても仕方がないのかも知れないなと。

そしてまさかの!小泉今日子が本人役で登場!

 

・・・

さて、本編では自分自身の死期を知っている市郎ですが、テレビ局でカウンセラーの仕事をしている時には平常運転で、相変わらず市郎節が炸裂中。悲劇的な空気はありません。ドラマだからどんでん返しとかあったりするかなあ。最後は純子とちゃんと生き延びる世界線もあると良いなあ。

喜劇と見せかけて悲劇、悲劇と見せかけて喜劇。クドカンの手のひらで踊らされているのであります。

↓次回の予習をしておこう。

 

TBSテレビ 日曜劇場『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』第9楽章 ~ようやくこのドラマの芯にたどり着いた~

前回まではいろいろと不満タラタラで見ていましたが、いよいよ物語が「芯」に近づき、思わず涙してしまった第9楽章。

さすがに、父と娘の共演シーンは涙なくして見ることはできませんでした。そしてやはり…


海ーーーーーーー!


海が泣いてる!
今度は嬉し泣きだ!!!!!!

響の弟・海が泣くシーンで、さらに涙がドバっと出てきました。よかった…。海が幸せならそれでいい。
ちゃんと海の感情を描いてくれてありがとう!!!
本当にありがとう!!!

5年前から未開封だった父からの手紙を、捨てずに取っておいているところとか、響が冷たい態度を取りながらも、本当は父親と仲良くしたい気持ちがあることは伝わってきていましたが、何せ「感じの悪い子」としか描かれていなかったので、見る方もイライラしておりまして。

今回、ようやっと音楽は人の心を繋ぐものという本来のテーマにたどり着いて安堵しました。頑張ってここまで見続けてよかった…!
次は父・俊平が自分の夢を叶える番なんだろうなあ。

晴見フィルはどうなる?

晴見フィルは、ここまで来たら多分何とかなるだろう。アマチュアの市民オケとして、部費を集め協賛を募りながら活動することもできるのだから。

そういう意味では、今回のドラマはリバーサルオーケストラと違って、団の再生だけが描かれたわけではないので、児玉交響楽団の時のような思い入れがあまりないんですよね。( ごめんなさい!)

もちろん一視聴者として応援する気持ちはありますが、リバオケの時のように「終わって欲しくない」思いはないのが正直なところ。まあ、親子・家族関係にだいぶ時間が割かれたので、しょうがないですよね。

もうちょっと練習シーンや演奏シーン、楽曲や団員同士の葛藤が見たかったなと思うのは贅沢でしょうか。(そうなるとリバオケと、ほぼ同じドラマになってしまうけれど)

次はいよいよ最終章だッ!

 

TBSテレビ 日曜劇場『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』第8楽章 ~柄本明がすべて持って行った!~

だいぶ面白くなってきた「さよならマエストロ」の第8楽章(8回目)は、柄本明が全部持って行きましたね。表情や迫力、気持ちの変化など、さすがとしか言いようがありませんでした。

・・・

8話では、俊平(西島秀俊)の過去が明かされ、野球少年だった頃の話が登場。ご近所の音楽家が奏でるバイオリンに魅せられたのがきっかけで、音楽の道を目指します。しかし、俊平を野球に道に進めたかった父親(柄本明)は、音楽の道に進む息子を勘当してしまいます。

ご近所でバイオリンを弾いていたのが、俊平が憧れる指揮者。海外のオケを指揮していたけれど、引退することになったので後釜に俊平を指名、しかし俊平は断ってしまうというエピソードが前回までにありました。もったいない…。

また、俊平が野球少年だった頃に、演奏会の会場で実は小村二朗(西田敏行)と出会っていたエピソードも登場しました。いろいろ繋がっているなあ。

ところで!母校で講演する俊平氏の服装について申し上げたいことが…!
いくら学生相手だからと言って、セーターで登壇するのはいかがなものか。せめてジャケットは着て欲しかった。音楽家はそういうところに無頓着であるという演出なのかも知れませんが、非常に違和感がありました。

ところで、父親から音楽の道に進むことを大反対されていた天音さん(當真あみ)、父親の前でバイオリンの練習成果を見せる場面がありましたが、當間あみ本人もバイオリンをやっていたそうですね。ボーイングが本格的だなあと思っていたのですが、経験者なのであれば納得!胸にこみあげてくるいいシーンでした。

 

響(芦田愛菜)と大ちゃん(宮沢氷魚)の関係は…どっちでもいいかな。進展してもしなくても、物語の大局には関係なさそうな気がするので。(と言いつつ関係あったらすみません)

そして、何となくうやむやになっていた「5年前のできごと」とやらに、まだ続きがありそうですね。

 

晴見フィルの団員は、登場するものの団の存続に関してはあまり進展はなし。残り2回で全部一気に解決か?まとまるのか、果たして?!

 

TBSテレビ 日曜劇場『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』第7楽章 ~はじめてジーンとした~

7回目にして初めてジーンとしました。

・・・

このドラマへの没入感を阻害する響(芦田愛菜)の存在について、改めて思うことを。

芦田愛菜という役者は、「最高の教師」の鵜久森のように、"優等生でクラスメートからいじめを受ける”というようなわかりやすい設定の時にはハマるけれど、今回の「響」のように、うちに秘めた複雑さ、音楽(父)と近づきたいのに近づけないジレンマを抱えた役は難しいのでは?と。

別の役者だったら、また違う感想だったのかも知れなません。ミスキャスト感が否めないのです。清原伽耶だったらどうだったかな?と考えてしまいます。

曲紹介のナレーションも響じゃなく、家族全体を俯瞰的に見ている弟の空の方がよかったのではないかと。響だと役柄とナレーションのトーンのギャップが大きすぎて、違和感がすごいことになってしまうので、この辺も感情移入を阻害する要因の一つではないかと思っています。

ひょっとして最終回あたりに、大感動!父と娘の協奏曲!パチパチ!みたいな大逆転を予定しているのかも知れませんが。そのギャップを作るために、あえて響は「いやな子」という設定にしていたりして。(最大限の譲歩)

と今回もいろいろ書いてきましたが、谷崎天音(當真あみ)や小村二朗(西田敏行)のエピソードはよかったですね。このドラマを見て7回目にして、初めてジーンとしました。

谷崎天音(當真あみ)のエピソード

父親に音楽を反対され、姉や母親には無きものにされるという複雑な家庭で育った背景が語られました。この子が主人公でもよかったのでは?と思うほど。
父である晴見市長(反・晴見フィルの筆頭)は婿養子で、選挙用に別の苗字を使っていることも判明しました。

泣きながら、夏目家に借りていた楽器と楽譜を返しに来た場面ではこちらも泣きそうに…。このドラマを見始めて、初めてジーンとした場面でした。

ただ、「天音」という名前は音楽を感じさせるんですよね。どこかでまたその辺りに触れる回があるかも知れません。

小村二朗(西田敏行)のエピソード

人生初のリサイタルを目前にして、倒れてしまうという残念な展開に。すごい数の楽器を経験しているちょっとレアな設定に若干引いてしまいましたが、最後に病院でクラリネットを奏でたシーンはよかったですね。団員が要所要所で、演奏しながらフォローしたのもよかったです。

ただし、病院のスペースでいきなりコンサートが開けるという現実離れした展開はどうなんだろうと思わないでもないのですが…。

「音楽に片思い」←名言ですね。

↓次回は、私の苦手な暴力シーンがありそうです。

 

 

TBSテレビ 日曜劇場『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』第6楽章 ~あっさりしていた晴見フィルのラスト~

第6楽章は打って変わって、よかったですね!晴見フィルにフォーカスした話だったので、やっと見たかったストーリーが展開されたという気持ちです。(夏目家の話は本当にイラっとしました)

個人的には、推しの新木優子の出番が結構あったし、人物の背景も知れたし、カルメンの衣装も素敵でした。
最後にコンマスが指揮をしたシーンはジーンとしましたね。

しかし、全員違うステージ用の衣装って、じいちゃん(西田敏行)ってば、どんだけ資産家?!それなりにお金がかかると思うのですが。

それにしても晴見フィルの「最後のコンサート」が結構あっさりしていますね。取り組みや練習シーンが1話だけって寂しいし、マエストロの謎の蘊蓄も登場しなかったし。

最終的に満席になったのはよかったのですが、結局晴見フィルの話は、このドラマのサイドストーリーでしかないのかな?とも思ったり。次回は、俊平が海外へ行くかどうか迷う話のようだし・・・。

ちなみに、オーケストラが解散になっても市民オケとしてやっていく方法はあります。練習場所と打楽器や大きな楽器の確保さえ何とかなれば、行政の施設や公的施設を借りながら運営しているところってたくさんありますし。(要はサークル形式)

団員と団費を集めて、定期的に練習機会を設ければ、年に1回は定期演奏会もできるはず。本気を出せば、アマチュアのオケとして晴見フィルは存続できます。そういう風に描くかどうかはわかりませんが、夏目家のできごとに尺を取ったせいか、あまり団員同士の交流や結束に触れる時間がなく、「晴見フィルよ永遠に!」という視聴者の気持ちを醸成できていないのではないかと思うのです。(リバオケの玉響のように「終わって欲しくない」という空気には現時点ではなっていないと思われる)

・・・

ところで5年前のできごとって、前回チェロの羽野が語っていたあの話のみ???だとしたら肩透かしもいいところ。衝撃でもなんでもなかったのですが…。今後、どこかの回で再度触れることがあるのか、あるいはもう無きもののように扱われるのか。この辺はとっても不満!

次回の予習はこちら↓

 

 

TBS金曜ドラマ「不適切にもほどがある」第4回感想 ~ウェディングベル(シュガー)のオマージュか?!~

今後はシュガーの「ウェディングベル」のオマージュですか。
懐かしいなあ。

ミュージカルシーンのベースになった曲は多分これじゃないかな。

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自分をふった相手の結婚式に出るという罰ゲームみたいなシチュエーションで怨嗟の念をポップに歌い上げた名曲です。3人のハモリが心地よかったなあ。

・・・

さて、今回も次々と繰り出される昭和ネタに腹の底から笑ったり時には苦笑いだったりと楽しく視聴しているのですが、昭和の頃の歌詞って相当ヤバかったですよね。

沢田研二(ジュリー)のヒット曲「カサブランカ・ダンディ」では「聞き分けのない女の頬を 一つ二つ張り倒して」という歌詞が出てくるし。あの頃は何も思わず口ずさんでいたなあ。

ドラマには出てきませんでしたが、尾崎豊の「盗んだバイクで走り出す」(15の夜)も令和ではアウトですよね。バイクを盗んじゃっているところがダメなのはもちろんですが、15才の少年が主人公だから当然無免許。さらにスピード違反もしているかも知れませんし、ノーヘルだった可能性も。
この短いフレーズの中にダメなポイントが詰まりまくっています。

市郎と渚の血縁関係が明かされる?

二人の間にビリビリと電気が走ることから、市郎と渚は血縁関係がありそうなことがわかってきました。渚の父が市郎に「お父さん(お義父さん?)」と言っていたし、市郎の娘・純子が渚の母親である可能性も出てきました。

恐らく、こんな感じではないかと。

古田新太はなぜ管をつけてるのかが気になりますね。

毎回コミカルでかつ皮肉もこもっていて、かつ考察もはかどるという楽しみ過ぎるドラマです。

↓次回の予告

 

 

TBSテレビ 日曜劇場『さよならマエストロ~父と私のアパッシオナート~』第5楽章 ~このドラマをつまらなくしている理由~

さよならマエストロの第5楽章は、第4楽章に続き家族の再生物語でした。オケの方はほぼ進展なし。まさか2話続けて、夏目家の家族関係にフォーカスするとは思ってもみませんでしたね…。

見続けながらもこんなことを言うのは何ですが、このドラマをつまらなくしている大きな理由は、どの人物にも感情移入ができないことではないかと。

  • マエストロ俊平(西島秀俊)の人の心にあまりにも鈍感なところ
  • 家のことに追われて創作時間が取れなかったのは、自業自得としか思えない妻・志帆(石田ゆり子)
  • こじらせ思春期が長すぎて意固地すぎる響(芦田愛菜)

この辺の主要人物に対して突っ込みどころが満載過ぎて、人間的魅力が表現されていないんですよね。

特に響の描き方がひどい。家族に対しての態度も反抗期過ぎるし、いい大人が帰宅後コートもバッグもポイポイと脱ぎ捨てるシーンは不快感MAXでした。(話の流れから敢えてそういうシーンを入れていることは理解はできますが)これを黙って片づける母・志帆。(だから、家事の負担が大きくなるんじゃん。なぜ本人にやらせないのか)

響が推しの落語家に会えた時にようやっと笑顔になったけれど、それ以外での仏頂面は相変わらずで。

5年前の事件の詳細が判明すれば、いろんなことが腑に落ちるのかも知れませんが、今のところ「明かされる5年前の真実」と予告に出しておきながら、「タイトルに偽りあり」の状態だし。(結局、5話目でも詳細がよくわからない)

夏目家の唯一の良心、響の弟・海(大西利空)ぐらいですかね、応援したくなるのは。弟が主人公だったら、また全然違う物語になったのだと思いますが。

家族再生の話は一旦この回でブレイク、次からはまた団の再生物語に戻るようです。もうちょっとマシになると思いたいのですが、どうなることやら…。

まあ、そんなこんなで不満をたらたら書きましたが、指揮者を目指し、目下バイオリンの習得に邁進中の谷崎天音(當真あみ)が、オケつぶしを先導する晴見市長(淵上泰史)の娘ではないかと思われるシーンが登場したり、でもなぜか二人は苗字が違っていて新たな疑念が生まれたり。やはり続きは気になるところ。

タイトルの「さよならマエストロ」の「さよなら」が何に対してなのかも気になりますね。(結局は続きを見ることになりそう)

新木優子の登場シーンは個人的に楽しみ。美しさが際立っていますよね。眼福眼福。

 

NHKドラマ「仮想儀礼」ついに最終回!作り手も演者も凄まじい熱量でした

今季イチオシのドラマ「仮想儀礼」がついに最終回を迎えました。

公式サイトより】

(10)「そして、宗教が生まれる」
初回放送日: 2024年2月11日

陰謀論に陥った秋瞑(美波)、雅子(松井玲奈)、麻子(河井青葉)らの暴走を止めるため、正彦(青柳翔)と誠(大東駿介)は教団の解散を宣言。そもそも金のために始めたインチキな教団だったことを告白し、全てを終わらせようとする。だが、もはや秋瞑たちには届かず、無理やり車で逃避行に連れ出される。人気のない山の中で正彦は隙を見て逃げ出そうとするが、誠は信者を見捨てるべきではないと主張する。そして……。

とにかく、作り手と演者の熱量がすごかったですね…!最終回だけじゃなく全編通して言えるのですが、中でも最終回は凄まじいものがありました。

ロケも過酷だったでしょうね。

斜面から転がり落ちて、浅瀬の川に落ちるシーンや、はだしで森の中を走り回るシーン、寒い森の中で地面に正座しながら祈りをささげるシーン…。関わるすべての皆様に「お疲れ様」を。

・・・

多くの信者がいなくなり、世間から猛バッシングを浴びる「聖泉真法会」。ついに教祖役の正彦が教団の解散を宣言するも、そう簡単には終われません。

信仰をやめたくない暴走信者により、正彦と誠の手足を緊縛され拘束される姿や、「サタン」呼ばわりされ3人の女性信者に石で後頭部を殴られるなど、衝撃的なシーンが続きます。

ただただ末期を迎え、ボロボロになった創始者2名と女性信者3名の姿…。結局、正彦の相棒だった誠は、監禁や過酷な逃走劇から喘息をこじらせて亡くなってしまいます。

そして「法は何においても優先されるべき」と啖呵を切っていた正彦が、誠が亡くなった時に救急車を呼ぶでもなく、白い布を被せて森の中へ。誠の遺体を前に祈りを捧げる残った4人の姿は、正真正銘カルト集団そのものでした…。

解散を宣言しても、宗教は終わらない、終わらないのです。そこに信仰心がある限り。

形はなくなっても人の心は、そう簡単には変えられません。(だから宗教にどっぷりハマっている人の洗脳を解くのは大変なんですよね。)

最終的には、詐欺、脱税、暴力や監禁、間接的に死者が出たこともあり、それぞれ法で裁かれる時がやってきます。

教祖だった正彦は懲役5年、信者の女性3人にもそれぞれ1〜2年の懲役判決が下されます。

刑期を終えた関係者たちのその後

劇中では、刑期を終えた女性信者のその後が描かれます。

麻子(河井青葉)は過去に入信していた新興宗教の大手「恵方三輪会」に戻り(!)、雅子(松井玲奈)はカウンセラーの勉強をして、まっとうな道を歩もうとしています。暴走信者の主犯格だった秋瞑(しゅうめい)(美波)は何故か霊感が無くなってしまったものの、引き続き占い師として道端に座っています。

正彦は、皮肉にも刑務所内で年老いた受刑者から、過去の教祖ネームで呼ばれ、不眠の相談をされます。そしてまるで教祖だった頃と同じような語り口で「お聞かせください」と返答。やはり宗教は終わらないのか…!

そして衝撃のラスト。

教団に依存しながらも最後まで入信はしなかった真実(川島 鈴遥)の部屋に、壊したはずの「聖泉真法会」の仏像が修理された状態で鎮座。最後に残った信者が「経典」と呼んで崇めていたゲームシナリオの原稿が一緒に飾られ、出がけの真実が手を合わせる…

えええええええええ!

宗教に終わりはなかった…。
誰がこんなラストを予想したでしょうか。
衝撃に次ぐ衝撃の連続で、ラストシーンでは茫然としてしまいました。

そういえば、真実(まみ)の名前は「真実(しんじつ)」…。たどり着いた真実はそこだったか…!わああああああ。

第一話は宗教が"始まる"
最終回は宗教が"生まれる"

タイトルの意味深さも改めてかみしめるラストでした。

最初はお金のために始めたインチキ宗教。栄枯盛衰と誠の死を経て、辿り着いた先はカルト教団としての目覚めでした。そして多分、後者の方が根深い…。

教団は解散したけれど、宗教のような思想や概念は、それぞれの心の中に根付いていて、これからも続いていくことを示唆する最後でありました。

↓同感です。すごいドラマだった…!

脚本を担当した港岳彦さんの投稿。ぜひ見て欲しい。

映画なみのスケールのドラマでしたね。地上波でもやって欲しいという声が多数でているのも納得!