テレビ雑缶

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NHKドラマ「仮想儀礼」ついに最終回!作り手も演者も凄まじい熱量でした

今季イチオシのドラマ「仮想儀礼」がついに最終回を迎えました。

公式サイトより】

(10)「そして、宗教が生まれる」
初回放送日: 2024年2月11日

陰謀論に陥った秋瞑(美波)、雅子(松井玲奈)、麻子(河井青葉)らの暴走を止めるため、正彦(青柳翔)と誠(大東駿介)は教団の解散を宣言。そもそも金のために始めたインチキな教団だったことを告白し、全てを終わらせようとする。だが、もはや秋瞑たちには届かず、無理やり車で逃避行に連れ出される。人気のない山の中で正彦は隙を見て逃げ出そうとするが、誠は信者を見捨てるべきではないと主張する。そして……。

とにかく、作り手と演者の熱量がすごかったですね…!最終回だけじゃなく全編通して言えるのですが、中でも最終回は凄まじいものがありました。

ロケも過酷だったでしょうね。

斜面から転がり落ちて、浅瀬の川に落ちるシーンや、はだしで森の中を走り回るシーン、寒い森の中で地面に正座しながら祈りをささげるシーン…。関わるすべての皆様に「お疲れ様」を。

・・・

多くの信者がいなくなり、世間から猛バッシングを浴びる「聖泉真法会」。ついに教祖役の正彦が教団の解散を宣言するも、そう簡単には終われません。

信仰をやめたくない暴走信者により、正彦と誠の手足を緊縛され拘束される姿や、「サタン」呼ばわりされ3人の女性信者に石で後頭部を殴られるなど、衝撃的なシーンが続きます。

ただただ末期を迎え、ボロボロになった創始者2名と女性信者3名の姿…。結局、正彦の相棒だった誠は、監禁や過酷な逃走劇から喘息をこじらせて亡くなってしまいます。

そして「法は何においても優先されるべき」と啖呵を切っていた正彦が、誠が亡くなった時に救急車を呼ぶでもなく、白い布を被せて森の中へ。誠の遺体を前に祈りを捧げる残った4人の姿は、正真正銘カルト集団そのものでした…。

解散を宣言しても、宗教は終わらない、終わらないのです。そこに信仰心がある限り。

形はなくなっても人の心は、そう簡単には変えられません。(だから宗教にどっぷりハマっている人の洗脳を解くのは大変なんですよね。)

最終的には、詐欺、脱税、暴力や監禁、間接的に死者が出たこともあり、それぞれ法で裁かれる時がやってきます。

教祖だった正彦は懲役5年、信者の女性3人にもそれぞれ1〜2年の懲役判決が下されます。

刑期を終えた関係者たちのその後

劇中では、刑期を終えた女性信者のその後が描かれます。

麻子(河井青葉)は過去に入信していた新興宗教の大手「恵方三輪会」に戻り(!)、雅子(松井玲奈)はカウンセラーの勉強をして、まっとうな道を歩もうとしています。暴走信者の主犯格だった秋瞑(しゅうめい)(美波)は何故か霊感が無くなってしまったものの、引き続き占い師として道端に座っています。

正彦は、皮肉にも刑務所内で年老いた受刑者から、過去の教祖ネームで呼ばれ、不眠の相談をされます。そしてまるで教祖だった頃と同じような語り口で「お聞かせください」と返答。やはり宗教は終わらないのか…!

そして衝撃のラスト。

教団に依存しながらも最後まで入信はしなかった真実(川島 鈴遥)の部屋に、壊したはずの「聖泉真法会」の仏像が修理された状態で鎮座。最後に残った信者が「経典」と呼んで崇めていたゲームシナリオの原稿が一緒に飾られ、出がけの真実が手を合わせる…

えええええええええ!

宗教に終わりはなかった…。
誰がこんなラストを予想したでしょうか。
衝撃に次ぐ衝撃の連続で、ラストシーンでは茫然としてしまいました。

そういえば、真実(まみ)の名前は「真実(しんじつ)」…。たどり着いた真実はそこだったか…!わああああああ。

第一話は宗教が"始まる"
最終回は宗教が"生まれる"

タイトルの意味深さも改めてかみしめるラストでした。

最初はお金のために始めたインチキ宗教。栄枯盛衰と誠の死を経て、辿り着いた先はカルト教団としての目覚めでした。そして多分、後者の方が根深い…。

教団は解散したけれど、宗教のような思想や概念は、それぞれの心の中に根付いていて、これからも続いていくことを示唆する最後でありました。

↓同感です。すごいドラマだった…!

脚本を担当した港岳彦さんの投稿。ぜひ見て欲しい。

映画なみのスケールのドラマでしたね。地上波でもやって欲しいという声が多数でているのも納得!